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インダス河。チベットの聖山カイラースの西を源流とし、インド北部のラダック地方を横断、カラコルム山脈をなぞりながらパキスタンを縦断してアラビア海に注ぐ。全長約2900キロを誇るアジア有数の大河である。河口付近の肥沃な堆積地帯では、古くから世界四大文明のひとつインダス文明が勃興し、モヘンジョダロ遺跡に見られるような都市文明が栄えた。いっぽう、カイラースからラダックにかけては、チベット仏教が栄え、流域には数多くの僧院が建立された。この地では現代も仏教が脈々と人々の信仰として受け継がれている。印パ両国が領有権をめぐって紛争中のカシミールは、イスラム文化圏となる。インダス河は昔も今も同じように営々と流れ、静かに人々の暮らしを見守ってきたというのに、その流域には人間の異なった歴史や思想が濃厚に刻み込まれている。わたしも川の流れと共にゆっくりと旅をしながら、人間とは何なのかを考えてみたいと思う。
Indus River from Dha village, near to Pakistan border, Ladakh, India
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