

新刊本『大インダス世界への旅 チベット、インド、パキスタン、アフガニスタンを貫く大河流域を歩く』が発行になりました。
私が初めてアジア有数の大河インダスを目にしたのは、1988年、アフリカ放浪の旅を切り上げて日本へ帰る途中のことでした。そのとき私は陸路で日本を目指しており、イランからパキスタンへ抜けた際に、列車の車窓から水牛がインダス川の岸辺でくつろぐ姿を見たのです。その後、1991年にヒンドゥークシュ山脈最高峰のティリッチミール峰、1993年に世界第11位の高峰ガッシャ―ブルムI 峰の登山隊の一員としてパキスタンを旅したときに、この川の上流部を間近に眺めました。 岩と氷河の壮大なランドスケープと、山麓に生きるさまざまな民族の暮らしに惹かれた私はその後、暇を見つけてはこの地域に足を運ぶようになり、インダス川の源流から河口まで撮影を続けてきました。 その折に書き溜めていた文章がこのほど紀行文としてまとまることになりました。ぜひお手に取っていただき、インダス川流域の多様な世界を知っていただきたいなと思います。 四六判・368ページ カラー写真多数収録 定価:2970円(本体2700円+税) 発行元:彩流社 ISBN978-4-7791-2851-6 C0026


写真展「The Great Indus 大河インダスをめぐる人間と自然の織りなす物語」を東京品川のキャノンギャラリーSにて開催いたします!
25年以上にわたって撮影を続けていた大河インダスの流域に暮らす人々やその文化、風土、ランドスケープなどをまとめた大規模な写真展を東京品川にあるキャノンギャラリーSにて開催することになりました。 ■日時 2022年11月26日~2023年1月17日 10時~17時30分 日曜・祝日は休館 入場無料 アジアを代表する大河インダスは全長3180キロメートル。源流はチベットの聖山カイラス山(カン・リンポチェ)付近で、ラダック、ザンスカールを経て、インド・パキスタン間の係争地カシミールへ至ります。ヒマラヤ山脈と双璧をなすカラコルム山脈からの融水が合流したあとは、かつて仏教が栄えたガンダーラやスワート地方を経て、大穀倉地帯のパンジャブ平原へ。途中にある今なお政治的混乱にあるアフガニスタンや、アニミズムを信奉する少数民族カラーシャの暮らす谷なども広義にはインダス川と呼べるかと思います。そして流域を潤しながらシンド州を経て、アラビア海へ。 その大河インダスの流域には実に多様な世界が広がっています。この写真展では、そうした多様性を写真で表現した世界観を楽しんでいた